2011年3月24日木曜日

今、僕らは生きて呼吸しています。 日本ツアーによせて


今、僕らは生きて呼吸をしています、、、生きている今に、深く感謝したいと思います。

今回の大きな地震原発災害で多くの人が住む場や仕事、そして命までも失いました。
もし、東北では無く、大阪京都が震源であったら、僕がその立場になっていたのかも
しれません。
僕の心の中によぎった想い。被災された人々は僕らの代わりに様々な苦難や苦境に
面し、立ち向かっていると、、、。
命を落とした人たちは、僕らの代わりに亡くなっていったのかもれないと、、、。
そうすると、世界中様々な地域で起こる、天災や戦争で被災されたり亡くなっていった
人たちも僕らの身代わりなのかもしれない。
だからこそ、そんな身代わりになった人達からもらった今この生命を、大切に、慈しみつつ、
生命の踊りを続けようと感じました。

1995年の神戸の大震災の時の鎮魂と追悼の踊りを通し、被災した様々な場所で踊ったことを、
鮮明に思い出します。その頃、僕は子どもから青少年までの自然教室を、自然と踊ろう遊び学校
などと名前を付け、火を木の摩擦から起こしたり、草木染、踊り、絵画、等を教える教室を
10年間続けていました。

神戸震災が少し落ち着いた一か月後、亡くなった知人や友人に何かをしたいという思いから、
その地に出向き、鎮魂と追悼の踊りを始めました。でも、それは、きっと自分のためにでした。
というのは自分の心が痛かったからで、亡くなった人に何もしてあげることなどできないという
ことは知っていました。
ともあれ、ほぼ一か月近く避難所ボランティアセンターに寝泊まりし、神戸の様々な避難所や
神戸長田区周辺の多くの人の亡くなったあたりで追悼の踊りをしていました(かなり変わった
ボランティアでしたね。でも好かれていましたよ)。 踊を見て、涙を流して喜んでくれた
おばあちゃん、おじさん、親や親族を失った人達、子ども達と、直に話し、亡くなった人たちの
数だけ提灯を作り、五千個の提灯と共に、その人たちと慰霊祭を行いました。
17年も前の話ですが、その頃、多くのフォークシンガーや音楽家達も被災地に入り、
避難所で演奏に巡ってました。
その地で、僕は何かをしてあげたのではなく、逆に僕は踊りを人を再度学びました。

『踊とは何か』 それは祈りに深く関わっています。祈りは自らの内なる魂の解放と浄化、
祈りとは、生と死をこえた所にあり、それは正に、僕にとって踊りそのものだと感じました。

今回の東京公演『羽根の樹』、京都公演『自然現象のうらの世界に身を委ね....』、はそんな魂の
生と死を越えた解放と浄化をテーマにしました。そして静岡2か所公演は『記憶の海から』と
『記憶の海へ』は音楽と踊り、太古から綿々と続く生命の記憶をテーマにした即興公演です。
踊りと音楽は古の時より、祈りそのものであったはず、その祈りを観客と共に共振させ、
震災、原発事故の地へ、そして世界中で起こる、天災や人災戦争の地へ送り。それを通して、
今のこの生命を慈しむ、生命の踊りにしていきたいと思います。

今回の日本での公演の音楽は共に活動を続ける小宮 広子が参加することはもちろんのこと、
東京公演と静岡公演では音楽家の長屋和哉氏(リンク下記)を招いて行います。長屋さんとは、
神戸の震災がきっかけで始めた1996年から1999年までの吟遊舞踏『じねん』日本600か所行脚
のツアーの折、今回の静岡公演の主催者、樂土舎のマツダさんから頂いた1枚のCD『うつほ』
長屋和哉ソロを、その公演に使わせて頂いた事が初めの縁でした。その12年後に再び縁
あって昨年のリトルモアでの東京公演で、初めてお会いしたことにより、今回の公演参加の
運びになりました。
12
年前の小さな縁が川の流れのように繋がりました。そして、別々に流れてきたこの川が
此処で出会いどのような音と踊りを響き合わすか楽しみです。

*話は変わりますが、高温岩体発電(リンク下記)という自然エネルギー発電法を知っていますか。
20
年前、国の機関、電力中央研究所が山形県の肘折実験場で研究開発に成功しました。今の
日本の電力総発電量の2.5倍を発電可能の潜在能力があると、当時から夢の次期エネルギー
と専門家、電力関係者では囁かれていました。しかし、資源の無い日本だから原発を推進する、
という言い訳が出来なくなると言う理由で、原発推進の国策によって国民に知らされなかった、
非常に有望な発電法です。
日本は火山国で熱資源は最も豊富な国ですから、理屈抜きに、今でも本当に可能な方法だと
思います。僕は20年前脱原発の運動に関わっておりました。原発がひとたび制御不能になると
どような、信じられぬ状況になるか、その時に知りました。
そして今そのことが、現実の私たちの目の前に、まさに現実として起こっています。

僕は舞踊家であって、学者ではありません。しかし、だからこそ、日本の島々も含む600ヶ所を
15
年前に巡演した折、海に抱かれマグマの熱の近い火山国の日本が自然の豊かな国で
あることをこの身で感じました。
「原発がなければ電気が足らない」のではなく、次の世代の子どもたちの未来を見る遠い目と
ビジョンが今後本当に必要です。そしてこの高温岩体発電は忘れられていた発電法ですが、
再び僕たちの世論で復活する発電法であると今も思っています。

今はヨーロッパを拠点に活動を続けてますが、
今後とも地球と共に、生命と共に踊り続けたいと願っています。

改めて此の度の災害に被災された方々、命を失われた方々に深く哀悼の意を送ります。
そして、冬の後、春が来るように、痛みの中にありつつも、小さな花一輪を愛でる心を
持てる時が一日も早く来ること心から祈ります。

踊りや音楽がそのような花であることを祈って、、、筆をおきます。

竹之内 淳志 小宮 広子 


音楽家 長屋和哉氏のHP (素晴らしいエッセイです、音楽もですが) 

高温岩体発電 (具体的な説明参照) http://www.aist.go.jp/NIRE/publica/news-2000/2000-09-2.htm 
                                                      (記事) http://www.jca.apc.org/~altmedka/ron-43-hot-10.html



下記は、僕たちの日本ツアーの詳細スケジュールへのリンクページです。
http://www.jinen-butoh.com/schedule.html





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