2019年3月1日金曜日

2019春 日本ツアー / 東京 北海道 京都 Jinen Butoh Japan Tour April 

2019春‐竹之内淳志じねん舞踏-東京、北海道、京都 公演&ワークショップツアーの案内 -English below-


                                                          

今年の元旦、僕のツアーに二十年以上ずっと音楽として連れ添っている妻の広子と共に、ここイタリアのポマイヤにあるチベット寺院に初詣に行ってきました。この日の寺院は初春の様な天候でとても暖かく、敷地の中にある林と僧たちの住む十数戸の小さな宿坊集落の間の、静かな人影もない高台で西に傾く太陽の受けて瞑想と踊り、体が悠久の時間と繋がっていると感じさせられる時を頂きました。
その後この寺院の敷地内の広場に向かうと人の身の丈より3-4倍程の大きさの、極彩色の観音像が静かに夕日に向かって座っていました。暫くそこで時を過ごしていると、その観音像が落日の光の中で、僕の眼には様々な方角に無数の手を広げる千手観音像の様に見えて来ました。
花、米や実り、鳥、薬、刀武器、火、石、太陽と月、光と闇、生と死、海など、この世にある全ての生命と現象がその千の手の掌の内にあり、それら全てを暗示する無数の手で生きとし生ける全ての生命を深く抱き、生と死を超えて救済する千手観音の抱擁を見た様に思いました。
 今回の七年振りの日本ツアーの公演の題名は『生と死の抱擁』、その想いの発端は千手観音の抱擁がこの作品のイメージの源泉にあります。この舞踏公演を創作するきっかけになったのは七年前に行った、東北震災一年後の2012年震災追悼東北じねん舞踏巡礼ツアーでの被災地や東北の印象が大きく関わっています。
- 上記の文の続きは、この公演案内メールの最後に掲載 

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2019年 4月 竹之内淳志じねん舞踏 日本ツアースケジュール - 東京、北海道、京都
April 2019 - JINEN Butoh Tour in Japan - Tokyo, Sapporo, Kyoto
>>>http://www.jinen-butoh.com/schedule.html         
       https://www.facebook.com/events/2306558319581242/


東京-Tokyo - 両国シアターXカイ Theatre X(Cai)
予約-Reservation  http://www.theaterx.jp/

4月13日(土) 11:00-19:00 じねん舞踏ワークショップ「生命の四季」:両国シアターXカイ
講師:竹之内淳志 音楽:小宮広子 ( パーカッション、チテラ、ヴォイス) 参加費:3,000円 *本メール後半にワークショップ文章掲載
13 April  11:00-19:00 Jinen Butoh workshop "Four Seasons of Life" instructor:Atsushi Takenouchi music:Hiroko Komiya
Participation:3,000yen  at Theatre X(Cai) / Tokyo

4月14日 16:00 竹之内淳志じねん舞踏ソロ公演『生と死の抱擁』両国シアターXカイ
舞踏:竹之内淳志 音楽:小宮広子  料金:1,000円 (全席自由)
14 April 2019 16:00 The performance of Butoh dance "Embrace" of Atsushi Takenouchi and Hiroko Komiya
Butoh : Atsushi Takenouchi music : Hiroko Komiya ( object sounds, percussion, voice )  Price:1,000yen at Theatre X(Cai)

東京/両国 シアターXカイ
東京都墨田区両国2-10-14 両国シティコア内
TEL:03-5624-1181, Eメール:info@theaterx.jp

Theater X(Cai) Tokyo 
Address: 2-10-14 Ryogoku, Sumida-ku, Tokyo
contact: 03-5624-1181,   info@theaterx.jp
Access:  http://www.theaterx.jp/access.php
Web:  http://www.theaterx.jp/


自身を深く抱きしめる、まるで胎児の様に、何も考えず深く息をする。
すると死から生が生れて来る様に、
花が開くように。生命が宇宙に向かって開いていく。
花が宇宙を抱くように、全てを抱いていく。

photo by Tomohisa Saito


札幌-Sapporo - 北海道舞踏フェスティバル-Hokkaido Butoh Festival 2019
インフォ&予約 / Info&Reservation: http://sapporo-butoh.com/
インフォ/ info:  https://www.facebook.com/hokkaidobutohfestival/


4月19日(金) 竹之内淳志じねん舞踏ソロ公演『生と死の抱擁』音楽:小宮広子
                    田仲 ハル & アルゴリズム(ファッションブランド)舞踏公演
時間:19:15~  料金:予約2,500円 25歳未満2,000円 当日は500円増し
会場:ターミナルプラザことにPATOS(札幌市西区琴似1条4丁目 地下鉄東西線琴似駅B2F)
Sapporo 19(Fri) April 2019 start 19:15~  ●Butoh performance 
-Atsushi Takenouchi Solo Jinen butoh -EMBRACE-
-Hal Tanaka & algorithm(fashion brand) Butoh  performance
Performer:Atsushi Takenouchi, Hiroko Komiya (music;object sounds, percussion, voice ), Hal Tanaka & algorithm(fashion brand)
Price : adv/2,500yen U25/2,000yen door/+500yen
Place : Terminal Plaza Kotoni PATOS(Sapporo subway Kotoni station B2F)

4月20日(土)19:15~ 舞踏BAR  司会:森嶋 拓 パネリスト:竹之内 淳志、田仲 ハル 実演:極北会
料金:予約2,000円 19日公演観覧者1,500円 25歳未満1,000円 当日は500円増し
会場:CONTE-SAPPORO Dance Center(札幌市西区 琴似1条4丁目2-15 ニシムラビル4F)
20(Sat) April 2019   Butoh talk and Butoh bar 19:15~  ●Butoh BAR
moderator:Hiroshi Morishima panelist:Atsushi Takenouchi, Hal Tanaka Performer:Kyokuhokukai
Price : adv/2,000yen 4/19 ticket holder/1,500yen   U25/1,000yen door/+500yen
Place : CONTE-SAPPORO Dance Center(Nisimura Bld.4F, 4-2-15, Kotoni 1-jo, Nishi-ku Sapporo)

4月21日(日)じねん舞踏ワークショップ「生命の四季」
*本メール後半にワークショップ文章掲載
講師:竹之内 淳志 13:00-18:00  音楽:小宮広子 ( パーカッション、チテラ、ヴォイス)
 料金:予約3,000円 19日公演観覧者2,500円 25歳未満2,000円 定員15名
会場:CONTE-SAPPORO Dance Center(札幌市西区 琴似1条4丁目2-15 ニシムラビル4F)
21(Sun) April , 13:00~18:00   Butoh Workshop "Four Seasons of Life"
instructor:Atsushi Takenouchi music:Hiroko Komiya
Price : adv/3,000yen 4/19 ticket holder/2,500yen   U25/2,000yen max15people
Place : CONTE-SAPPORO Dance Center(Nisimura Bld.4F, 4-2-15, Kotoni 1-jo, Nishi-ku Sapporo)


北海道余市-Yoichi/Hokkaido-  北海道舞踏フェスティバル-Hokkaido Butoh Fes
インフォ&予約/ info&reservation:  http://sapporo-butoh.com/
インフォ/info:  https://www.facebook.com/hokkaidobutohfestival/


4月23日(火) 竹之内淳志じねん舞踏ソロ 音楽:小宮広子 
                  田仲 ハル&アルゴリズム(ファッションブランド)舞踏公演
出演:竹之内 淳志&小宮 広子 、田仲 ハル&アルゴリズム(ファッションブランド)、吉田成道
料金:予約2,500円 25歳未満2,000円 当日は500円増し  会場:茶話あだち(余市郡余市町沢町118)
Yoichi/Hokkaido-    23(Tue)April  19:15~ Butoh Performance
Atsushi Takenouchi solo Jinen Butoh performance , Hal Tanaka & algorithm(fashion brand) Butoh Performance
Performer:Atsushi Takenouchi & music Hiroko Komiya,  Hal Tanaka & algorithm(fashion brand) & music Yusuke Yoshida
Price : adv/2,000yen U25/1,500yen door/+500yen
Place : Sawa Adachi(118, Sawamachi, Yoichi-cho Yoichi-gun, Hokkaido)



photo by Georges Karam


京都-Kyoto
4月27日土曜  竹之内淳志 じねん舞踏公演『生と死の抱擁』 
場所:スペースALS-D(京都西陣) 開場:17時 開演:17時半, stat 17:30
進行・露払いの舞 由良部正美
舞踏, 演出、振り付け :  竹之内 淳志,
ライヴ音楽: 小宮 広子  ( パーカッション、チテラ、ヴォイス)
予約2500円 当日3000円
★予約:alsdyurabe@gmail.com (由良部 ※定員30人達し次第、受付終了します為、事前予約が必要です。
問い合わせ-Info: 090-5155−3543 alsdyurabe@gmail.com (由良部-Yurabe)

Kyoto  27 April 2019 solo Butoh performance "Embrace" of Atsushi Takenouchi
performer:Atsushi Takenouchi, music by Hiroko Komiya, Short introduction dance: Masami Yurabe
at : Space ALS-D (38-23 Murasakino Minamifunaokachō, Kita-ku, Kyōto-shi, Kyōto-fu 603-8225 )
★Reservation: alsdyurabe@gmail.com  *Advance reservation is necessary, since maximum 30 seats.

●スペースALS-Dは、神経難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の
甲谷匡賛の住居に併設されたスペースです。甲谷さんは、長年病院を転々とせざるえない生活から脱出。沢山の友人知人がヘルパーになり、24時間体制で独居生活を約11年前に実現する。併設されたスペースは、主に甲谷氏の長年の友人でもあり、氏のヘルパーでもある由良部正美の稽古場として使われているが、その他にも様々な小さな催し等を行い、とかく閉じてしまいがちな難病生活を地域へ、表現へと解放している。
竹之内淳志は、甲谷氏の発病前からの知り合いで、帰国する度に何回も此処で踊っている。
603-8225 京都市北区紫野南舟岡町38-23
○市バス(6,46,58,206)千本鞍馬口バス停徒歩5分
○駐車・駐輪スペースはありません。
●Space ALS-D Kyoto:
<address> 38-23 Murasakino Minamifunaokachō, Kita-ku, Kyōto-shi, Kyōto-fu 603-8225
<access> Kyoto city bus: 6,46,58,206
               bus stop : Senbon kuramaguchi , 5-8 minutes walk from bus stop





<小宮広子プロフィール>
音楽:小宮広子(石、水、竹、金属、パーカッション、声) その場の空気、空間、踊る身体から感じる直感やイメージをメロディやリズムにとらわれることなく即興の音に表現する。1999年よりじねん舞踏の音楽を担当。その後も公演、ワークショップにてヨーロッパをベースに活動を展開。ジャンルを超えて即興音楽ライブも行い、映像、インスタレーション、詩の朗読、美術家などとのコラボレーションも行う。
2009 年にソロアルバム「Eau Nouvelle -新しい水-」をフランスでリリース。コラボレーションでは、現代音楽家のラムンショー・マッタのCD「matta」、実験音楽バンドのレナ・サーカスとのCD「時の在処」等をリリース。2011 年、東京、パリ、ポーランド4 都市にて音楽家 長屋和哉とのコラボレーションコンサート。2016年ソロアルバム「Pendulum Sea」をイタリアトスカーナでリリース。2018年「名の無い島」にてフリージャズトランぺッター沖至と共演-パリ。


<竹之内淳志プロフィール>
62年三重県生まれ。80年に“北方舞踏派”に入門、『鷹ざしき』で舞踏の創始者 土方巽に振付を受ける。
86年「じねん」というコンセプトでソロ活動を始める。96~99年、日本の様々な土地風土、人や音楽を感じ即興舞踏にする吟遊舞踏『じねん』ツアーにて日本全国600箇所で公演。この間に大野一雄・慶人の宇宙観に触れ師事。99~00年、じねん 舞踏『太陽と月』にてヨーロッパ・アジア12ヶ国を巡り、自然や歴史的な場にて公演、映像を記録。2002年よりヨーロッパを拠点に活動,様々な国で舞踏公演とワークショップを行う。2003年ポーランド8都市ツアー。2005年アヴィニヨンオフフェス、公演と陰陽舞踏行列 。 2007年NY舞踏フェス。 2007年南イギリス、インサイドアウトサイドフェスにてアートグループRED EARTH とハンブルドン丘遺跡公演。2008年、演劇の巨匠グロトフスキーの活動したピッコロテアトロ劇場にて夏4週間舞踏合宿、スパチオNU主催-イタリアポンテデーラ市。 2009年南米ツアー。 2011年ギリシャ、アテネ古代演劇フェス、古代円形劇場にてギリシャ神話と舞踏の公演の振付演出、出演。2012年震災追悼東北巡礼8ケ所ツアー、ツアー最終公演は大野一雄舞踏研究所。 2013年舞踏群舞公演「走馬灯」演出擦り付け、出演、ポーランドポズナン市。2013年国際実験演劇祭アルゼンチン/ブエノスアイレス。 2014年詩人アルテュールランボーに捧ぐ舞踏公演「身一つ」東京、ポーランド4都市、パリ。 2014年イタリアナポリ国際デザインフェスにて舞踏公演演出振付、出演、オスカーシュレンマー最後の弟子の衣装デザイナー、ソニア ビアッキの衣装で踊る。2015年eX..it! Butohフェスにて舞踏家 和栗由紀夫、中嶋夏、リゾームリーと共に、群舞振付演出、出演。 2017年メキシコ南米国際舞踏フェスにて、ソロ公演及び、メキシコ革命記念塔広場、「リバース」群舞演出、出演。2018年NY、サンフランシスコ、米ツアー。ポーランド4都市ツアー。アテネ、バルセロナ、パリツアー。安部公房原作「砂の女」をローマのアーティストと共に舞踏作品化、上演。
ツアー先の様々な国でワークショップを1999年より続け、2015年イタリアポンテデーラ市郊外にて、じねん舞踏学校を定期的に始める。
2014年アラスカ氷河等でのダンスフィルム『Ridden by Nature』に主演舞踏家として参加、ニューヨーク、ニース、ヴェニス、AVIFF カンヌ国際フィルムフェス、等様々な国の36のフィルムフェスでアワードを受賞。 他、フィルム、ミュージックビデオ、アーティスト共同制作公演など多数。
JINEN舞踏 Atsushi Takenouchi : www.jinen-butoh.com




photo by Piotr Nykowski - Pozaokiem


竹之内淳志じねん舞踏公演『生と死の抱擁』全文

生と死の抱擁
深く抱きしめる、まるで胎児の様に、何も考えず深く息をする。
すると死から生が生れて来る様に、
花が開くように。生命が宇宙に向かって開いていく。
花が宇宙を抱くように、全てを抱いていく。

アジアの国々では千の掌を持つ救済の女神‐千手観音がいると信じられている。
千手観音のは全ての人や生命の中に住むという。
花、米や実り、鳥、薬、刀武器、火、石、太陽と月、
光と闇、生と死、髑髏、龍、海など
この世にある全ての生命と現象がその千の手の掌の内にあり、
それら全てを暗示する無数の手で生きとし生ける全ての生命を深く抱き、
生と死を超えて救済する。
私達の悲しみ喜び、怒り苦しみを慈悲の心で抱くという。
観音は人類の記憶の中にある生命を慈しむ大地の母神なのではないだろうか。
そうであるならば、
観音とは地球そのものなのだろう。

今、世界中で起こる避難民、地震、戦争や原子力災害、汚染。
その渦中で子を失う母。殺されゆく者たち。津波に呑みこまれる草木花。焼かれる山、
放射能て飛べなくなった鳥や歩けぬ動物たち。汚染される母なる海。
太古より観音という地球は
それら全ての生命を生と死を超えて抱きしめ、それらの魂を救済し続ける。 

舞踏は夢、変容の夢。
踊りは神ではないけれど、僕らの内に棲むそんな神を思い起させる。
踊りは様々な生命を深く抱き、生と死を超え、そんな全ての生命に変容する夢だ。
その踊りは原初の祈へと繋がって行く、祈りは踊りの母。

もし私たち全てがビックバンから始まる宇宙から生まれたのならば、
私たちは離れ離れになった星屑だ。
宇宙の始まりから育つ一本の樹の先にある、儚い一枚の葉だ。
あなたは私、一本の樹だ。
もしすべての生命の中に千手観音が住むのならば。
既に私の中にもあなたの中にも住んでいる。
だから、さあ神などに成らなくていいから。
私はあなたを抱き包む、あなたは私を抱き包む。
あなたはあなたを抱き包む。
私達は花や木、海や山。
私達は殺されゆく弱き者で在り、銃を持つ兵士でもある。
そして、津波でもあり、静かに生を育む母なる海でもある。
私達はビッグバン、あなたは星。あなたは花。

それら全てを深く抱き踊ることは祈り。
全てはあなたの中にある。あなたは地球の記憶、宇宙の一部。
だからあなた自身を深く抱くこととは、全てを深く抱きしめること。

私達は自身を深く抱きしめる、まるで胎児の様に、何も考えず深く息をする。
すると死から生が生れて来る様に、
花が開くように。生命が宇宙に向かって開いて行く。
花が宇宙を抱くように。全てを抱いていく。
               

              竹之内淳志


photo by Georges Karam


竹之内淳志じねん舞踏ワークショップ『生命の四季』の全文掲載
『生命の四季』-舞踏を通して生と死を抱きしめる-

自然の中に四季がある。
春-芽吹き、花。夏-強い日差し、雷雨。 秋-枯れ、実り。冬-氷結、死。といったイメージが湧く。
では、四季を、草花の生命にたとえてみる。
春- それは死を生に変容させる、大切な生命の転換点だろう。冬からの贈り物によって、たくさんの植物が成長し花を開く。昨年の秋に枯れた花々や草が、冬に滋養のある土に戻る。それらの土がこの春、草花に、命の贈り物をする。
夏- 夏の太陽とは、二つの顔を持つものである。一つの顔は、その強いエネルギーが思い存分に植物達を成長させる。もう一方の顔は、時に夏の太陽の持つ強すぎる力で、それら草花を枯らし、生命を失わせる。
秋- たとえ花がその力を失い枯れ始めても、その内に美が静かに潜んでいる。その美とは如何なる美なのであろうか?それは次の世代に種を引き継ぐための、死を厭わぬ生命の努力の為せる、至福の犠牲の美なのだろう。
冬- この季節は死を象徴するものである。死した草花が滋養のある土に帰る。では、草花の精霊は何処に行くのだろうか、それらの精霊もまた春への贈り物なのであろうか。

草花や昆虫や動物に成り、また季節の精霊に成り踊る、「草花の四季」をカラダの内から生まれてくる踊りを通して感じ取ってみる。
すると、私たち人にも四季があることを自然に感じ始める。「誕生、赤ん坊、子ども、青春、壮年、老い、死」その人生の途上にある喜怒哀楽と、いつも背中合わせの生と死をイメージする。すると私たち「人の生命の四季」を通して、様々な踊りが生まれてくるだろう、、、。それこそが私たち其々の人生の踊りである。

これらの草花や生物や人の四季を通して様々な踊りが生まれ、更に私の舞踏にとって最も大切なテーマ「至福、浄化、愛、鎮魂、犠牲、生と死」へと展開していく。その踊りとは、太古の人々が脈々と人の営みと共に続けてきた、現代の私たちの忘れてしまった儀式としての踊りなのかもしれない、、、。
 四季の循環が輪廻の発想を生んだのだとすれば、人の生命に輪廻はあるのだろうか?
生を抱きしめることを厭う人はいない。しかし死を抱きしめることが出来るだろうか?死を遠くに押しやることは出来ない。ならば「唯、生と死を深く抱きしめて踊る」。

すると「死は生命の循環の一部なのだ」と私のカラダの内から生まれる踊りが、
『すべてを忘れて、全ての美しい四季を抱きしめて踊れ』と私に語りかける。
               
                           竹之内淳志


photo by Studio Valos


--------この公演ツアー案内の文頭の続き---------

今回の七年振りの日本ツアーの公演の題名は『生と死の抱擁』、その想いの発端は千手観音の抱擁がこの作品のイメージの源泉にあります。この舞踏公演を創作するきっかけになったのは七年前、東北震災一年後の2012年震災追悼東北巡礼ツアーでの被災地や東北の印象が大きく関わっています。
そのツアーの様々な記憶、、、。丘の上の津波を免れた保育園の園児たちとのワークショップ。
気仙沼での津波で海岸線の家屋を次々と破壊し陸に打ち上げられた千トン程の鉄製の船のある場での追悼の踊り。
震災一年後の3月11日に宮城県南七ヶ宿の雪の中での野外追悼公演。
そして東北大震災をさらに深刻にした福島原発による二次災害により復興不可能になってしまった土地。
これら行ってきた土地は障碍のある方たちの施設、小中学校、被災地等を合わせ、宮城県角田市、仙台、山形、気仙沼、陸前高田、大槌、弘前、青森、計16か所。そして東北ツアーのささやかな最終公演を大野一雄舞踏研究所でさせて頂きました。
その時出会った様々な人や風景がこの作品を一過性のインプロ作品ではなく一つの舞踏作品として創作する動機になりました。

またこの契機が、過去踊らさせて頂いた、神戸大震災、ポーランド アウシュビッツの強制収容所ビルケナウ、カンボジアのポルポト軍の大規模虐殺キリングフィールドでの追悼の踊り、レバノンのパレスチナキャンプでの爆撃を恐れるスラムの中の幼稚園児とのワークショップや追悼踊り等、僕がじねん舞踏として再出発し踊って来たここ二十五年の舞踏の記憶を如何に愛として祈りとして浄化して行けるかを問う、今後も続く長い道のりのテーマの作品の一つになった事に感謝します。

今回の日本滞在の期間に制限がありこの作品を創作の切っ掛けになった東北にこの舞踏作品を持って行くことが出来ないのを残念に思いますが、また次の機会に必ず向かおうと思いますのでお許しください。

今回の東京公演とワークショップはシアターX(カイ)です。1996年のシアターX(カイ)のインターナショナルダンスフェスで公演させて頂いて以来いつか公演をしようと話して、やっと今回公演をすることが実現したシアターX(カイ)の皆様、芸術監督の上田美佐子さんに感謝します。
また、北海道舞踏フェスティバルに深く関わっている、舞踏家 田仲ハルさんは1980年に北海道小樽の北方舞踏派で踊っていた頃の舞踏団の朋友です。1996年から3年連続で吟遊舞踏『じねん』ツアー日本全国600箇所公演の時小樽に呼んで頂いて以来20年振りの再会に、またプロデューサーの森嶋さん両氏に感謝します。
京都では、舞踏家由良部正美さんに企画して頂いています。40年近く前の北方舞踏派時代にお会いして以来、私が関西で住むことになって以来、時には共に踊らさせて頂き、長きに渡って尊敬する先輩舞踏家として、また友人としてお世話になっています。 公演をするスペースALS-Dは、神経難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の甲谷匡賛の住居に併設されたスペースで、由良部正美さんの稽古場としても使われています。帰国する度に此処で何回も此処で踊らせて頂いています。由良部さん甲谷さん両氏に感謝します。



竹之内淳志 小宮広子



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Globe JINEN Atsushi Takenouchi
contact & music : Hiroko Komiya
E-mail : Jinenco@gmail.com
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